この店名は、「クラクラ日記」の坂口安吾夫人が銀座で開いていた文壇バー「クラクラ」から、承諾を得て、先のオーナーがつけたものである。その後、友人だった現オーナー、外波山さんが、引き受けてから、この店は、2003年、26年目である。
ごく最近、店は隣の家屋だった部分へと、拡張し、今までのスペースとあわせると、9坪ほど、40人ほどが入れる広さとなった。ゴールデン街では、貴重な収容力といえる。
前からの部分は、カウンターに、奥には数人が向かい合えるテーブルがあり、一ヶ月に一度程度は、すっかりメディアで、有名になった歌人の俵万智さんが、カウンターで、料理を作ったりの、ママ業をしている。つぎつぎ訪れる客の案内も、なれた調子で、きっちり、「仕事」を果たしているという印象を受けた。
新しくオープンした部分は、なんと言っても木の香りが心地よい。壁一面に、吹き抜けの天井まで、杉の板張りがしてあるのだ。壁の広いスペースには、作家の絵画が、持ち込まれ、画廊としての魅力も加わった。展示に関しては、手数料等はとらないが、あくまで、絵を見にくるだけの客のためのスペースではないので、ここで飲んでいくことを条件に開放してくれるようである。自分の創作の発表の場をなかなか持つチャンスに恵まれない作家たちにとっては、素晴しい空間であろう。いずれ、焼き物などの展示即売も考えているようである。
劇団の椿組の主催者、役者さんである外波山さんは、常時店に出ていることはできないが、お通しなど、こうした、客が酒を楽しめる店つくりに細やかな心配りをしている。
人数の多目の会合など、事前に電話連絡があれば、持込も大目に見てくれるようである。
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